たばこを買うか漫画を買うか

結局、我が事になる時にハラオチする。

派手なクライマックスだけが見所であってはならない。

歳を重ねてきているからなのか、以前にも増して、

“何も起こらない” モノやコトに魅力を感じる。

 

大爆発が売りのアクション、殺人の凄惨さが売りのミステリー、

美男美女の大恋愛が売りのラブストーリーといった映画やドラマ。

食事なら、A5ランク和牛を看板にした肉料理屋。

ファッションなら、靴やカバンや時計だけがハイブランド

 

華やかさのアピールがかえって気分を冷めさせる。

 

 

では「平凡が一番だよね」という話かと言うと、違う。

 

実際、大爆発のエンディングがとても面白い映画もあるし、

ハイブランドを素敵に着こなしている人もたくさんいる。

 

冷める要因は、

そこだけをアピールポイントにしていること。

 

伏線が丁寧に張られた物語は、

エンディングの派手さが論点にはならない。

前菜から細やかな料理はメインのお肉がA5かどうかは気にならない。

 

そう、大事なのはプロセス。

 

結果が全てとも言うが、

「結果が全て」というフレーズが出るのは、

大抵、良くない結果、またはそうなりそうな時。

 

素晴らしいモノやコトを「結果が全て」とは評さない。

 

言うとしても、この結果に持っていった努力や過程も含め、

尊敬の念を込めて、もう少し違った言い方をするだろう。

 

 

仕事における企画の立案・提案でも同じことが言える。

 

出来栄えや見せ方に飛びつき、急いで辿り着こうとした時、

パターンの想定やリスクヘッジがなおざりで、

中身の薄い、説得力に欠ける代物ができあがる。

 

 

“何も起きない” 魅力を強く感じるモノ、3つ。

 

・ねたあとに / 長嶋有 著(小説)

ひよっこNHK 連続テレビ小説(テレビドラマ)

・東京ポッド許可局 / TBSラジオ(同じ3人のトーク番組)

 

どれも、何の話か?と聞かれると説明が難しい。

共通しているのはクライマックスがない。

 

でもつまらないのではなく、むしろ面白い。

クライマックスは高低差がないと生まれないが、

最初からずっと高低差なく “心地よく” 面白い。

 

高低差がないので、一見すると何も起こっていないように感じる。

でも実はずっと日常の機微という連続の出来事を見せられている。

(もしかしたら途中で終わっても大丈夫なんじゃないかな。笑)

 

もう1つは、どれも状況や思考の因果の共有が丁寧。

読者や視聴者が置いていかれないので、一員のように楽しめる。

 

 

プロセスを丁寧に扱うと、

一点特化なんて逆にもったいなくてできない良作ができあがる。

 

自分のしていることを派手にアピールしたくなった時、

それは、そこしかアピールできない代物になってしまっていないかを

改めて見直す時なのかもしれない。

 

派手なクライマックスだけが見所であってはならない。

 

そういうこと。